学校ブログ

3年社会見学クイズ発表会(地域連携でつくる「協働的な学び」の楽しさ)

7月1日、3年生は「モーモー探検隊」と称して社会見学に出かけました。

「牛乳と土の館」では、猿払牛乳が生産している様子をみました。手作業で一本ずつミルクが充填されていました。週2回、給食に提供されているので、子供にとっては身近に感じるものですが、市販価格は200ml一本200 円と高価です!学習する中で、いつも猿払牛乳を飲んでいる「当たり前」は、とても「有り難い」ことと気がつく日がくることでしょう。

こういう現実を大人が説明して教えるか、子供が自分で気がつくように仕向けるかで、学びの質の高まりと主体的な行動変容が起きる度合いが変わってきます。

いただいた「さるふつアイスクリーム(バニラ)」を味見。

アイスの原料となるミルクをしぼる場面を想像しながら、「北の大地」へ牛舎見学に向かいます。

足を消毒して、はじめにみたのは、生まれてまもない子牛でした。

社会見学

「かわいいー」

そして、6ヶ月くらいたった子供の牛が自分でミルクを飲みに行く機械や、1年たった牛へと成長する過程をみて、大人の牛舎へ。

自動搾乳ロボットには驚きました。話には聞いていましたが、実際にみると多くの発見がありました。

最初に絞った乳は塩分が入っていて捨てられるようになっているとか、機械の動きをみながら解説していただきました。(案内してくださったのは、CS委員さんです。)

途中、動き出す機械をみて、「先生、そこ危ないよ」と、既に知っている子が教えてくれました。

幼い頃から、こうした環境を身近に感じて生活する子供の未来を想像するに、いったいどんな世の中で生活していくのだろうとワクワクしてしまいます。

 クイズ発表会

そして、14日、見学後に調べた内容をまとめてクイズ発表会をしました。

例えば、「北の大地のバルククーラーに羽根はついているか?」という○×問題。

見学したので知っているかと思いきや答えが分かれました。

実際には、羽根をみたわけではなく、牛乳を冷やしてためておくタンクをみただけです。説明をメモしたことをもとに、問題をつくったことがわかります。

解説では、羽根が回って牛乳を撹拌することで品質を保っていることを伝えていました。

また、別の問題では「ホモゲナイズ」、「ノンホモゲナイズ」とか専門用語も飛び交います。

酪農地帯に生きる子供たちの基礎知識の高さに頼もしさを感じました。

一人一台タブレット端末が使えるようになり、理科の学習では、観察で撮影した写真を使って「植物図鑑」をつくるなど、まとめの仕方も多様化。すぐに使いこなす子供の物覚えのはやさには驚かされます。

 植物図鑑

しかし、今回の学習のまとめは、あえてアナログを選択。めくりカード方式で掲示版に貼り付けることがゴールになっていました。

 

 クイズ掲示牛乳製造日の問題

つまり、便利だからといって何でもかんでもICTを使うのではなく、目的・意図に応じて手段を選択することが大切だという指導を行ったということです。

さて、ここで問題です!

[問]乳の肉の館では、何曜日に猿払牛乳をつくっているでしょうか。

①(木)、(水)、(火)

②(水)、(金)

③(月)、(木)

正解はブログ記事の最後で・・・

問題を出す時、子供達は声のトーンを高くしたり、ジェスチャーをつけたり、まるでクイズ番組に参加しているような楽しさを味わえるような工夫をしていました。

選択肢を出す時に、たくさんの情報があって、聞き手が覚えられない場面もありましたが、「繰り返し」や「部分的に伝える」などの工夫もしていました。

テレビやテロップなどに頼らなくても、音声だけで相手に正しく伝えることをあわせて学習できた場面でした。

振り返りでは「解説が大切だね」など気付きを発表し、お互いの良いところを認め合う場面が素敵でした。

 

授業の最後に少し時間をもらったので、

「バルククーラーでは、ホモゲナイズしているの?」と出題。

すると、「ええっ!」との反応。うーん、と唸って考えている子もいます。さて、正解は・・・、

「見学で質問できなかったから、答えを知らないのです。」と言うと、ずっこけていました。

時には、子供と一緒に先生も学ぶ姿勢がみせることが、学びを深めるきっかけになると考えています。

酪農地帯のプロフェッショナルな子たちですから、きっと、夏休み中に、調べてくれるだろうと楽しみにしています。

クイズの答え

[クイズの答え]③

<子どもの解説>「 牛乳は月曜日、木曜日の午前8:30から作っています。さるふつ牛乳はその作った次の日の火曜日と金曜日の給食や道の駅で売られています。」

他に、猿払村では鬼志別の「Kマート」、浜頓別町では「ララック」で購入できます。

旅行で来られる際は、参考にしてくださいね。

 

自分に勝ったマラソン大会

運動会が終わり一週間。体力の回復を待って、マラソン練習が始まりました。

先週のコース試走では、子供と一緒に1.2kmコースを走ってみました。

ほぼ平坦なコースです。校舎と森の間の草むらは、ややアップダウンがあり、ワイルドな感覚を楽しめます。

先頭の6年生は、しっかりとした足取りで、1km5分ペースでも後をついてきました。

すれ違う子供たちに、「ナイスラン!」「マイペースでいいよ」と声をかけます。

後半はバテ気味になったところで担任の先生が伴走する場面も見られましたが、

自分のペースを守って全員が完走しました。

1年生は初挑戦。

走る距離は全員同じですが、経験値が違いますから、はじめはペース配分がよくわからないものです。

そして、闇雲に回数を練習させるだけでは、苦手意識がある子は走るのが嫌いになってしまいます。

マラソンランナーを育てるわけではないので、限られた授業時間の中で、適切な負荷で楽しく、効率よく体力アップが実感できる工夫が必要です。

その小さな工夫の一つは、スタート前にどんな準備をしたら良いか体験させることです。

練習の終わりに、スタート前の心構えについて伝えました。

「30mとか短い距離をダッシュすると心拍が上がって、楽にスタートできます。試してみてください。」

そして、7月9日、迎えた本番。

朝の雨上がり、気温はそれほど高くなく、ランニング日和になりました。

保護者・地域の方々が応援に駆けつけてくださいました。

開会式で意欲づけをしました。

「いよいよ本番です。他人との勝ち負けではなく、練習してきた自分との戦いです。自分のために走ることが大切です。そして、今日、たくさんの方々が応援に来てくださいました。みんなの走りを見て大人は元気になります。自分の力を出し切りましょう。皆さんでご挨拶しましょう。よろしくお願いします。」

そして、スタート前。

準備体操後、跳躍動作と肩甲骨をほぐしてから、

「全力の7割から8割くらいで走りましょう。」

と伝え、20mのダッシュを4回走りました。

その後、ゆっくり歩いて、スタート場所まで移動。

しばしの静寂。号砲が鳴り、スタートダッシュ。

 

黄色い小旗を振って大人が応援する中、トラックを駆け抜けていく子供。

 

周回を折り返すとき、すれ違う場面では、互いに刺激になったことでしょう。

応援の保護者の姿を見て、急に速くなる姿も可愛らしかったです。

 

ゴール前、ラストスパートでは本気の走りを見せてくれました。

 

遠くからの熱い応援が心に響いていたのかもしれません。

  

閉会式では、一人一人に完走賞を渡しました。賞状にはタイムが記入してあります。

しかし、自分が練習以上に力を出せたのかどうかがわからず、ゴールした時点では、がっかりしている子もいました。

そこで、次のように伝えました。

「今日のタイムは、みんな、練習よりも速くなったそうです。全員、自分に勝ちました。よくがんばりました。大会は1回きりです。長い人生の中で、いろんな挑戦をする場面があります。今日のがんばりを生かしてください。応援してくださった方々にお礼をいいましょう。ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」

子供たちが努力する場面で、価値付けをすること、自信をもたせることが私たちの仕事です。

教室に戻って練習のタイムより伸びたことや、今年の「自己ベスト」を出したことがわかり、子供たちはどんな表情を浮かべたのでしょうか。

走ることが好きになる子、挑戦することが楽しくなる子が増えてくれたらよいなと願っています。

 

よい「習慣」が身に付く大人の関わり

<プロローグ>

車鹿!鹿!鹿! 雪が溶けた猿払村は、鹿が餌をもとめて活発に活動しています。運転に気を使う毎日です。

 

さて、気がつけば4月も下旬。新学期からの授業・子供の様子を振り返り、

よい「習慣」が身に付く大人の関わりについて、考えてみました。

 

学習の様子をみていると、先生たちが小さなことを大切に指導していることがわかります。

《低学年》

ビジネス猿払村には移動図書館の日があり、「なかよし号」が学校に来ます。

1年生は何もかもが初めて体験です。本の借り方を上級生が教える姿がみられました。

「今日はなかよし号がくるから教えてあげてね」

という一言が、子供の動きにつながります。

やさしい「言葉」は、やさしい「行動」をつくり出します。

その「行動」が「習慣」になります。

さて、

ひらめき令和2年度学校評価の結果をUPしました。

1学期は読書「習慣」が課題になっていました。

改善にむけて様々な取組を行いました。

ポイントを5つ紹介します。

《読書「習慣」づくりのコツ》

1 まず大人が「本」を読むこと。

2 読んでいる姿を子供にみせること。(電子書籍はNG)

3 読んだ本の内容を楽しそうに語ること。「あの本面白かったよー」(ブックトークといいます)

4 時折、子供の興味をかきたてるような本を読んで聞かせること。(年齢は問いません)

5 図書館などに連れて行くこと。本に触れる機会をつくること。

 

どれか一つでもいいので、試していただければ、子供の未来は変化すると考えます。

4について「絵本を読むのは恥ずかしくて・・・」という方もいらっしゃることでしょう。

やり方にはよっては、絵本の読み聞かせは大人でも笑い転げるくらい面白いものです。

方法はいろいろあってよいのですが、まず、大人が楽しむ体験をすることが大切です。

なかよし号

 

 

《中学年》

美術・図工教室前の掲示版に、色塗りの学習の作品が掲示されています。

「できるだけ薄くぬるようにしました」

と3年生が学びのポイントを教えてくれました。

ここにも、先生の細やかな指導があることが伝わってきます。

掲示タイトルが素敵です。

☆絵の具と水のハーモニー☆

実際に作品をみるとわかりますが、薄いだけでなく「濃淡」があるのです。

私は、図工・美術は「人生かけてチャレンジする」学び体験だと考えています。

国語や算数など他教科とは違う、やり方が示されない「不安」(=先行きの見えない未来)の中に飛び込むのです。

そこをわかって指導するかどうかで図工が好きになるか・嫌いになるかが道は分かれます。

子供の作品を見ると本校の児童は図工が好きという感覚が伝わってきます。

 

ひらめきギガスクールによる一人一台タブレットを活用した授業が始まりました。

総合的な学習では2020年人気NO.1のフリーソフトを活用したプログラミング学習に挑戦。

初めに先生が基本操作を示し、それをもとに手順を自分で考えて操作します。

先生たちはなるべく手を貸さずに見守ります。すると、

「おおー、できたぞ!」

と喜びの声が起こります。

「おっ、できたね。」

この一言で、やる気が高まります。

 別の日、社会科ではグーグルマップを活用して、学校周囲の探検をしていました。

一昔前は学校の屋上から東西南北の四方を見渡す導入が行われていました。

便利な世の中ですが、様々な集めた情報を生活経験と結びつけて考えさせる要点は、今も昔も変わりません。

 

《高学年》

鉛筆黒板を使った普段通りの授業が開始。

机の上に注目すると、学習に向かう姿勢がうかがえます。

筆箱から必要な道具だけを出して置き、ノートを開いています。

教科書は左側におき、必要に応じて使う。

学習する内容を把握するために、まず、ノート整理から始める。

日付、問題、課題、解き方、まとめ、練習問題、発展問題。

と学習の手順を記録しながら思考を深めていく姿。

つまり、「学習の主体者」であることが、机の上をみれば伝わってくるのです。

この地道な積み重ね(練習)が「基礎体力」となり、

テスト(本番)で満点!という「本領発揮」へとつながります。

 

まとめ

どの子にも「のびしろ」(=可能性)があります。

これでいいと満足した時点で後退は始まります。

「これを生かして、何ができそう?」

と問う姿勢を示し続ける。

すると、

「学んだことを生かす」

子供が育っていくのではと考えています。

日々の小さな積み重ねが、未来の大きな成長につながっていくと信じて、

今後も、よい「習慣」づくりをさぐっていきます。

 

<エピローグ>

4月もあと数日で終わりです。来月も小さな喜びをお伝えしてまいります。

連休もありますが、健康・安全に有意義な日々をお過ごしいただければ幸いです。

 

お知らせおしらせ

ひらめき《令和2年度学校便り・CS通信(アーカイブ)をUPしました》

ピース《令和2年度CS地域学校協働活動のフォトアルバムをUPしました》

4月学校便り(4/30発行)《特集》「夢を叶える」大人の関わり

子供にどう関われば「やる気」になるのか?

「励まし方」のヒント3つの手順で解説します。

⇒「学校だより・学校評価」ページからお入り下さい。

 

受け継がれる絆~ペップかるた~

令和2年度最終日。

前夜の学校駐車場には雪が溶けて草を食べに来た2頭の鹿が元気にギャロップをしていました。

30日、令和3年度学校経営計画が完成。

新年度にむけた準備作業が動き出しています。

 

春休み中、転勤される先生にお別れの挨拶をしたいと子ども・保護者が訪れました。

人との温かいつながり、「絆」を実感した瞬間でした。

この地域だからこそできることがあると考え、

PTA・CS学校運営協議会の親子の絆づくり活動として制作してきた「ペップかるた」が完成。

かるた制作に関わって子どもたちに遊び方を考えてもらい、そのアイデアを生かしたガイドブックができました。

在校生にむけた卒業生の勇気づけの言葉も受け継がれています。

令和2年度、これまで行ってきた地域との交流や様々活動が制限され、寂しい思いをしていた子どもたち。

新たな活動の種を地域にまいて、つながりを実感できるよう様々な場面での活用を模索していこうと考えています。

 

始業式・入学式は7日。新たな出会い、ワクワクの一年が始まります。

春休み中の子ども達の様子を思い浮かべながら・・・。浅茅野発ペップかるた