家庭学習が身につくコツ①~「答えをみる」から「できる」~
今、「個別最適な学習」がキーワードになっています。従来は「個に応じた指導」と言われていました。これを学習者である「子供」の視点でとらえなおした言葉です。
では、具体的に、どのような学習が個別最適な「学び」をつくりだすのでしょうか。
例えば、その一つが「教材」を活用した学習方法です。
本校では、学習習慣をつけるために次の副教材を使って指導をしています。
「あかねこ漢字スキル」
「あかねこ計算スキル」
これらの教材は、個人の学習理解度に違いに対応するために、教室の授業で生まれた事実をもとに、現場教師の声を反映して開発・改善されてきました。
コンセプトは2つです。
1 はやくできる子には、暇な時間がなくなり、発展的な学習に挑戦できる
2 時間がかかる子には、自分のペースで、内容の理解と解く力が確実に身に付く
この2つを同時に叶える授業デザインがパッケージ化され、
「ユースウェア」(指導方法)として提供されています。
指導力の高い教師は、こうした情報を自分のものにして、指導を工夫しています。
車の運転と同じで、技能は基本を「意識」して「訓練」しないと向上しません。
学力をつける「技術」にも基本があります。
機械的にやらせるだけでは、学力保障はできません。
また、同じ事を何度も繰り返させる学習方法は、あまり効果がありません。
学習の基本は「3回やれば定着する」。
一度やってできることは、2度やってもできる。
1度目にできなかったら、「答えをみて」、覚える、書く、言う、など2~3回程度練習をする。
2度目にチェックすると、半分以上は、できるようになります。
3度目には、ほぼ、満点になります。
脳科学の進歩によって、記憶に定着させる方法は明らかになっています。
つまり、こうした基本のもとに、1人1人の理解度にあった指導方法を行い、その環境を整えて授業設計をすることが「個別最適な学習」のつくり方です。
これらは、今始まったことではなく、これまで先輩教師が知恵を絞って積み重ねられてきた有効な方法です。
それが、デジタル教材などによって体系化されています。
今は、指導方法について動画で紹介されています。
https://www.youtube.com/watch?v=654Shg8W2fc
また、家庭でも取り組めるように復習用の「プリント」と「答え」も、ダウンロードできるようになっています。
https://ak-mk.com/keisan/
これらの教材を使う際、学力をつけるポイントは「答えあわせ」です。
上記のユースウェアでは、先生が答えを音声で告げ、子供は自分で丸付けをしています。いい加減さを防ぐためには、お隣同士で答案を交換して、相互に丸つけさせる方法もあります。教師がチェックするよりも、子供・生徒同士のほうが厳しくチェックします。相手意識が高まり「協働的な学び」につながる関係性が築かれます。(相互に公正な評価ができるクラスには、いじめの芽はなくなっていきます。)
子供が自分で問題を解き、とき終わったら「自分で丸付け」することが本当の意味での「学習」です。
先生や親が丸付けをするのは、「誰かに指摘してもらえる」、「間違ったら教えてもらえる」と、依存的な態度を増長させかねません。(もちろん、時折チェックして、適切な指導・助言を行うことは必要です。)
将来、仕事をすることになれば、納品書・請求書をつくるなど、相手方との信頼関係を築くための小さな手続きが必要になってきます。その際に、自分でミスをみつける力(=確認するスキル)が極めて重要になります。
よかれと思って手をかけた「指導」は、「自分で間違いをみつける」「工夫する」「つくりだす」といった可能性に蓋をしているということに気がつかなければなりません。
大切なのは、思い切って「手放す」、「見守る」ことです。
そこから、子供に真の成長が生まれます。
子供と試行錯誤しながら、家庭学習に取り組んでいる方のブログをみつけました。
上記の副教材の家庭での活用方法が記されています。
参考になれば幸いです。
https://mamapri.hatenablog.com/entry/katei-gakusyu/akaneko
小学生の子供が家庭で取り組む学習内容をご紹介!